わたしが卒業したアメリカのインディアナ大学というところは、非常に強い学生バスケットボールの伝統があり、男子チームは過去5回全米一に輝いています。1987年を最後に優勝からは遠ざかっているのですが、わたしの在学中もチケットをなかなかとることができず、おそらく試合に足を運んだのは、両親が遊びに来た時になんとかチケットを確保して行った一度と、冬休みの学生が少ない時期にもう一度行けたくらいだったと記憶しています。17,222席のアリーナが毎試合埋まるのですから、これはもう一大コンテンツと言えるでしょう。

一方、女子チームはこれまで特に強かったこともなく、また、そもそも女子バスケが男子バスケに比べて注目度が低いこともあり、わたしの在学中はほとんど観客もいませんでした。そこへ、2014年に現在のコーチが赴任し、チームを徐々に作り上げて、今年のシーズンはここまで25勝1敗。シーズン中のランキングでは全米2位の評価を得るに至って、この2月に入って、ついに初の完売・満席を達成し、これから向こう数試合もすべて完売となっています。

全米大学スポーツの中で2大花形とされるのは男子バスケとフットボールなのですが、インディアナ大学はフットボールチームが伝統的に弱く、観客を集めるのに苦労しています。良いチームを作れば席も埋まる、と言われ続けていたのですが、先に女子バスケがそれを証明した形となりました。

さて、先日、ここでも数回にわたってご紹介させていただきました演劇『岡田ものがたり』の4週にわたる公演(於:雅休邸)が終了しましたが、こちらも、第1週を終えたあとすぐに残りの日程がすべて完売しました。まさに、文化・芸術の分野でも、スポーツの例と同様、良いものを作ればすぐに人が集まるということを目の当たりにした瞬間でした。そして、知多では、良いものの噂が広まるスピードもとても速い! まさに来年度の鑑賞事業を発表する直前のタイミングで、これはとても心強い経験でした。

前置きが長くなりましたが・・・一昨日の記事にあります通り、このたび知多市勤労文化会館 2023年度鑑賞事業の年間ラインアップを発表いたしました。パンフレットの背にも書きましたが、わたし自身が来演を心からワクワクして待っている、素晴らしいアーティストたちが並んでいます。みなさまに足を運んでいただき、良いものだと感じていただいて、「きんぶんのやることなら」という信頼を勝ち取っていきたいと思っています。ぜひ、まずなにかひとつ足をお運びください!

さて、来年度のお話が長くなってしまいましたが、3月にはまだ今年度の自主事業も残っています。まず、市民参加型の事業からふたつ。3月5日(日)14時からは、知多市民オーケストラ/知多市勤労文化会館合唱団による「第九」発表会(つつじホール、有料(500円))。3月25日(土)15時からは、知多市勤労文化会館ベリーダンス教室の発表会(やまももホール、無料)がそれぞれ行われます。「第九」では、公募団員による合唱の練習を9月ごろから重ねており、3年ぶりに100名超の市民が舞台に揃います。ベリーダンスでは、最後の曲に特別ゲストがいるとかいないとか・・・??

そして今年度最後のロビーコンサートは、「ちた塾ウクレレ教室発表」を3月18日の正午から開催します。先日の新春コンサートやFKBもそうですが、ロビーコンサートにも着実にファンを増やしている団体が増えてきて、多いときは100名に届きそうなくらいのお客さまに足を止めていただいています。

それでは、今月もきんぶんでお待ちしています。

知多市勤労文化会館
芸術監督/館長 樫野元昭

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