中日新聞 令和5年10月4日(水)朝刊より


この人《知多国際古楽祭を初開催・樫野元昭さん》

中世やルネサンス、バロックなどの時代の楽器や演奏法で奏でる「古楽」のワークショップ「知多国際古楽祭」を先月、愛知県知多市で初開催した。「500年以上前の人はこんな音楽を奏で、聴いていたのかと思いをはせてもらえたら」と話す。

広島市出身。中学2年生からトロンボーンを始め、神戸大の学生時に米国へ留学した。古楽との出会いはウィスコンシン州のキャロル大音楽学部で勤務していたとき。同僚からトロンボーンの古楽器サックバットの演奏を頼まれた。思うように吹けず「これはまずい」と思っていたところ、近くで古楽祭が開かれると知り参加した。

「5人の奏者が別々のメロディーを演奏し、合わさると一つになる。全員が主張する感じが新しく、面白かった」。古楽にのめり込み、ボストン大で古楽演奏法の音楽芸術博士号を取得した。

2018年に帰国し、知多市の勤労文化会館館長に就任。古楽の魅力を多くの人に広めたいと願う。初回の古楽祭には国内から38人が参加し、大いに盛り上がった。「将来は海外からの参加者を増やして、国際的な催しにしていきたい」(高橋貴仁)

(🄫中日新聞社)

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