朝夕冷え込むようになりました。わたしがここへ来て初めての年の瀬です。きんぶんでは本日(11月20日)まで市民美術展が開催されています。どれも力のこもった力作で、しかも応募作品はすべて展示されているとのこと。来年は何か出品してみようかと思っています。
この一か月は、産業まつり、映画祭、そして今週末の美術展と「不思議の国のアリス」など、多くの方にきんぶんにご来館いただけました。明るいロビーにはあたたかな光をともしてお待ちしておりますので、これからの冬もきんぶんをよろしくお願いします。(ニューヨークやウィスコンシンなど、冬の厳しいところに長く住んでいましたので、どうしても冬が来る前には身構えてしまいます。)
さて、12月の自主事業。25日には、つつじホールにて知多市民オーケストラの第8回定期演奏会が開催されます。クリスマスの開催にふさわしく、チャイコフスキーのバレエ音楽「くるみ割り人形」からの抜粋と、ソリストに宇井智美さんをお迎えしてウェーバーの「ホルン小協奏曲」をお届けします。「くるみ割り人形」では、知多市ジュニアコーラスクラブやなないろ歌劇団の児童合唱も登場。オーケストラにとっては、長期間練習を重ねてきた成果の発表の機会です。ぜひ応援にお越しください。14時開演、全席自由席で、チケットは500円で発売中です。
ロビーコンサートは、ジョイフルセブン名古屋によるオカリナ7重奏を、12月10日(土)の12時より開催します。いただいたグループ写真は、どこかで見た景色だと思ったら、神戸市の神戸文化ホールのエントランスで撮影されており、広い範囲でのご活動の様子がうかがえるみなさまです。入場無料ですので、お気軽にお立ち寄りください。
さて、自主事業としてはこのふたつなのですが、もう一つ、貸館公演の宣伝をさせてください。12月18日(日)に、14時からやまももホールにてアンサンブル・プリンチピ・ヴェネツィアーニによる演奏会「クリスマス物語」を開催します。わたしも出演します。このグループは、京都を拠点に全国で「ピリオド演奏」をおこなう団体です。ピリオド演奏になじみがない方も多くいらっしゃるかとは思いますが、シンプルに言うと、作曲された当時の演奏習慣を学んだうえで、当時の楽器(のレプリカ)などを使用して演奏するものです。実はこれがわたしの専門分野で、長い間アメリカなどで演奏と研究を続けておりました。ちょうど、当時わたしが所属していたニューヨークの団体の動画などがいくつか公開されているようですので、ピリオド演奏の一例としてご紹介しておきます(この演奏ではわたしはテナーサックバット(トロンボーン)を演奏しています)。
ヘンデル「サウル」(演奏:トリニティ・ウォール・ストリート・バロック)
18日の「クリスマス物語」では、これよりさらに100年ほど前の、ハインリヒ・シュッツによる「クリスマス物語」を中心に、小編成のアンサンブルで、めずらしい古楽器をより身近にお楽しみいただけるかと思います。チケットほかお問い合わせは、直接アンサンブル・プリンチピ・ヴェネツィアーニまでご連絡ください。
きんぶんでは、自主事業のほか、このようにさまざまな貸館公演がおこなわれています。アーティストのツアー公演の開催もあれば、地域に根差して自主的に活動する団体の演奏会や演劇などもあり、有料・無料あわせて一般公開される公演もたくさんあります。きんぶんのウェブサイトでは、月別催し物ご案内としてそういった貸館公演の予定も主催者からのご希望があれば掲載しています。教室や学校などの行事では、関係者のみとなるものもありますが、ぜひ参考にして、いろいろな公演にお越しいただけたらと思います。今月もきんぶんでお待ちしています。
知多市勤労文化会館 芸術監督/館長
樫野 元昭