芸術監督だより 1月号

しばらく小春日和が続き油断していたら、一気に冷え込みました。みなさま、お身体にお変わりないでしょうか。今年も、無事に終えることができそうでほっとしています。

今年4月から新たに始めた鑑賞事業ですが、今年度は来月1月14日のワンコインコンサート《チェロ米本希》を残すのみとなりました。芸術監督としてシーズンを通して計画・実施をしてきたシリーズ、最後も本当におすすめの1時間になりそうです。米本さんは、四日市市のご出身で、名古屋のNHK青少年管弦楽団OGとして、また菊里高校の卒業生として、愛知県にも深いゆかりをお持ちです。その後、東京藝術大学を経て、今年までプラハに留学されていました。秋ごろに帰国され、東海地方や首都圏でご活躍されています。きんぶんのワンコインコンサートは、「500円で楽しめる音楽とお話の1時間」です。プラハ仕込みのチェコ音楽とともに、楽しいお話を聞かせていただけると思います！　1月14日（日）11:30より、つつじホールで開催です。また、鑑賞事業シリーズに関しては、来年度のラインアップも99％決まっており、発表できる日を楽しみにしています。できればこのコンサートの日にはパンフレットをお配りできるようにしたいと思っています！

さて、そんな鑑賞事業シリーズですが、現在、市内の中学生が必ず一度、このシリーズの公演を経験できるという制度を整えたいと思っています。知多市勤労文化会館でワールドクラスの公演をお楽しみいただけるという自負のあるこのシリーズ、アンケートなどでは非常に高く評価をいただいており、「ワンコイン」や「アーティストの環」などのシリーズについてはシリーズとしてのファンという方もいらっしゃって、とても嬉しく思っています。でも、まだまだここが公演を観に行く目的地としては認知されていない部分も否めず、各公演で空席も出てしまっています。そのため、それを逆手にとって、市内の中学校の1学年を対象に、公演チケットと交換できるクーポンを配布したいという試みです。

この試みのための費用を集めるべく、来年早々にクラウドファンディングを予定しており、現在申請途中です。開始になりましたら、こちらで告知をさせていただきたく思っておりますが、リターンとしては、他館のメンバーシップのような特典を予定しています（先行予約や、チケットの割引（クーポン）など）。本来は、子どもたちのための公演を用意してご招待したり、アーティストたちと学校に出向いてアウトリーチをしたりというのができれば理想的なのですが、持続可能な、現実的な目標として考えております。よろしくお願い申し上げます。

私事で恐縮ですが、先週、会館を数日留守にさせていただいて、神戸市室内管弦楽団という、神戸市が運営しているオーケストラでハイドンの『天地創造』という大曲の演奏に参加しておりました。鈴木秀美マエストロという素晴らしい指揮者の元、飛ぶ鳥を落とす勢いのオーケストラで演奏でき、とても良い時間を過ごさせていただきました。このオーケストラには、昨年のベートーヴェン『運命』の演奏会で初めて呼んでいただき、今年度は4月のグリーグ『ピアノ協奏曲』とベートーヴェン『田園』の演奏会に続いて2度ご一緒させていただきました。サックバットという、トロンボーンのご先祖にあたる特殊な楽器を演奏しているため、それが必要になった時に声をかけていただいているということなのですが、正式なメンバーではない客演奏者という立場だと、こうやって「繰り返し」呼んでいただけるのが本当にありがたく感じます。使ってみてダメなら次に、という世界ですので、最初の1，2回より、その後続けて使っていただける方がより自信にもつながるわけです。同様に、ちたUMEブラスの子どもたちも、増えるのも嬉しいけど続けてくれるのが一番嬉しいということを活動記に書かせていただきましたし、きんぶんの鑑賞事業も、繰り返しご来場いただけるファンをひとりでも多く獲得できるよう頑張っていきます。

長くなってしまっておりますが、1月にはさらに、地域で活動を続けられているみなさまにつつじホールで演奏をしていただく《第2回きんぶんアンサンブル祭》を1月21日（日）14時より開催します。昨年の秋に第1回を開催しましたが、今回は参加団体もさらに増え、よりパワーアップしてお届けできる予定です。こちらも、入場料は500円となっております。老若男女、さまざまな世代の方がご出演されます。ぜひ応援にお越しください。

1月のロビーコンサートは、恒例の箏と尺八による新春コンサートです。こちらは、1月20日土曜日の正午より、ロビーにて開催します。毎年多くの方にお越しいただく、大人気のロビーコンサートです。ぜひお立ち寄りください！

それでは、新年も劇場でお会いしましょう。

知多市勤労文化会館
芸術監督／館長　樫野元昭